Message in FAUSTUS: シリーズに秘められた想い#1

私が何よりも困惑し、ストレスとなったのが、医師によって診断が異なったことだった。どの言葉を信じていいのか迷い、患部の指を切断しなくても出血や痛みが止まり、改善するかも知れないと思わずにはいられなかった。

最初は病名さえも、特定されず、病院によって異なる名前で診断され、とにかく非常にまれなケースというのは言われた。AVM(Arterio-Venous Malformation:動静脈奇形)も、脳に起こるケースはそれでも手よりは多く、AVM自体の専門医は見つけたが、手のAVMはさらにめずらしいらしく、ニューヨークでさえなかなか見つからなかった。しかし、もし脳にAVMが起こっていたら、死亡したり、半身不随になる場合も少なくなく、私の場合、右手であったことは不幸中の幸いだった。しかもハンド・ドクターという分野がアメリカにはある。それもたまたまアメリカにいて幸運だった。

しかし、単に手術して切断するしか方法がないというのであれば、葛藤も迷いの余地もなく気持ち的にも楽だったのだが、切断の必要はないという医師も、どうすれば出血が止まるのか具体的な治療方法を提示できない場合がほとんどで、あちこちの病院に行ってみたが、実際に手のAVMの手術経験を持つ医師を見つけることさえ難しかった。

「来週にでもすぐ患部の小指切除手術を」というある医師に、「これまで何件ぐらい同様の手の手術で執刀なさってきましたか?」などと聞くと、「僕は○○大学(←有名大学)で教えてきているし…..」と件数は答えられなかった。成功率を訪ねるところではないと思った。

信頼できる医師と最良の治療法探しで、刻々と時間だけが過ぎて行った。その間にも、もし寝ている間にこの出血が起こったならば、出血多量で死に至っていた危険性もあった。小指を失うかもしれないという苦悩…それまで当たり前のようにあったものが突然なくなるかもしれないという喪失・不安の念に、昼夜さいなまれた。

(つづく) = (次のページへ:シリーズに秘められた想い#2へ)

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