Talked to a Stranger On Valentine’s Day

From artbook [FAUSTUS], Misako Oba: (The page cropped.)

[Behind the story]                                – Japanese follows: [裏話] 日本語も下記に続きます。

It was in the late afternoon and it seemed I was the last patient at the hospital. This happened in New York City in 2006. It feels like a long time ago, but I clearly remember the moment the doctor said it, and I felt devastated in my mind while I kept staying cool in front of him. Do I really need to have my finger amputated?  It was out of the blue. I asked him many questions. He didn’t give me the exact name of the medical condition, but he was so sure that my right pinkie should be amputated. Soon. Right after our dialogue was done, nurses who didn’t know our conversation came in to the doctor’s room and left boxes of the chocolate on his desk. I glanced at it. He was smiling at them and getting ready to leave and go home. On my way out at the hospital, everyone looked happy and saying, “Happy Valentine’s Day!♥”  Yes, it was Valentine’s Day when my journey of this right pinkie thing started.

As I left the hospital, I figured it was too much to tell this unexpected thing to anyone who are close to me. I didn’t feel like telling. I needed to digest by myself at fist about what’s happening. If I told  my family or close friends, they would be definitely worried about. I just didn’t want to make them unnecessarily worry while I was still hoping that there should be the another option.

Yet, my heart was very heavy.  I don’t why, but interestingly and to be surprised myself, I talked to a stranger sitting next to me in subway, and chatted and told my situation. The person cheered me up with the bright attitude and I felt easier a little bit. I knew I would never see this person again. Thinking back, maybe that is why I felt ok to talk to. Hope no burden on him. Also, on that night, I happened to meet a group of people who will later on become my good friends.

Once in a while, Valentine’s Day still reminds me of those things.

And, the story goes on….

———-

傷もなく、何もしていないのに、小さな針穴が開いたヨーヨーから水が飛び出すように、小指から突然ひどく出血したため、市内(ニューヨーク)の病院を訪れた。2006年のバレンタインデーのことだった。もう随分昔のことにも思えるがその時の場面は、脳裏に焼き付いている。自分の番が回ってきたのは、病院がそろそろ閉まろうとしている頃だった。若い男性のドクターは、まるで「風邪ですね」と言うのと同じように、さらりと言い放った。実際に他に方法はないと言わんばかりに、再度の出血を防ぐには小指は切断しなければならない、との診断だった。予期せぬ事態に、心の中ではかなり取り乱していだが、平静を装い、矢継ぎ早にとにかく色々質問をした。あまりに急なことだし、きっと他の病院なら治療法もあるはずと、とりあえず「考えます」ということを伝えた。

診察が終わると、すぐに看護師たちが入ってきて、ドクターの机にチョコレートの箱を置いていった。「あー、今日はバレンタインデーだ…」。ドクターはチョコをもらってニコニコ笑っている。それらを横目で眺めつつ、人が指を切断しなきゃいけない危機にあるというのに、この人たちや他人にとってはひとごとだし、別に大きなことじゃないんだな〜、と思いつつ、帰りがけにも、病院内のスタッフたちが、うれしそうに「Happy Valentines’s Day! Have a good evening!」と声を掛け合っているのを聞きながら、病院をあとにした。重くのしかかってきた事実をどうやって受け止めればいいのか —-

これまで不自由なくあった指が突然なくなるかもしれない、自分にとっては究極に残酷とも思えることをドクターに突きつけられた時、私は、なぜか、親しい人たちにすぐに告げることはできなかった。日本の家族にも、アメリカでの親しい友達にも。相談してもそこで解決することではないし、いたずらに心配をかけるだけだと思ったのか…自分でもよくわからない。たぶん、自分の中で消化しきれていないし、絶対指を切らずにすむ方法もあるに違いないと、思っていた。とはいってもやり場のない思いはどうすればいいのか。

そして、帰りの地下鉄の中、私は自分でも予想していなかった行動に出た。隣に座り合わせた人に、なぜか小指のことを話したのだ。ニューヨークではエレベーターや地下鉄で、知らない人ともちょっとした会話に発展することはあるが、もちろん、通常はあまり個人的な内容にはならない。短い会話だったが、その人は明るく励ましてくれ、私も少し気持ちが軽くなった。その人とは2度と会うことはないが、だからこそ負担なく話せたのかもしれないと、後で思った。

今でも時々、バレンタインデーが来ると思い出す。

そしてその時、その日から、突然の日常が壊れ、病院・医師探し、正確な病名は? 自分の小指はどうなるのか….困惑、迷いのジャーニーが始まったのだった。

ストーリーは続き、写真とともに展開していく….。

 

でも今回の『FAUSTUS』写真集は、いわゆる”闘病記”でもなければ、ジャーナリズムとしてドキュメンタリー風にまとめたものでない。…と、少なくとも制作者、私の編集意図はそこではない。
もちろん、一度、手を離れた作品(集)は、ご覧いただいた方それぞれによって、印象や理解が様々であると思う。

一方、この『FAUSTUS』より先に、米国で私家版としてまとめた写真集The Gift of Lossは、ドキュメンタリ—風のフォトエッセイになっていて、ジャーナリズム的なものだ。編集の仕方も違い、別の写真もたくさん入っている。

 

 

 

 #  #  #

Advertisements

Review added : コメント・掲載記事メニューを追加

The Menu [Review/Press/Commentary] section was added to this FAUSTUS website.

FAUSTUSに関する「掲載記事」やコメントなどのメニューを、上記のメニューバーに追加しました。
2月6日(金)の静岡新聞の[特集]文化・アート欄に、『FAUSTUS』に関して、実際にご覧いただいた感想など、記者の方による記事が掲載されましたので、シェアさせていただきます。

また、写真集の巻末に全文がありますが、米国の写真画廊ゲイリー・エドワーズや、日本の写真評論家 飯沢耕太郎さんにもお言葉をいただいたものの一部がこちらで見られます。

写真集『FAUSTUS』を既に実際に読んでいただいた方、もしご感想などありましたら、掲載の有無は別として、直接こちらからお気軽にご連絡ください。ウェブサイトに自動的には掲載されませんが、ご希望の方は、その旨がわかるように、掲載の可否をチェックする項目があります。

あと、今日はFAUSTUSに関しての「About FAUSTUS」をちょっと更新しました! 是非のぞいてみてください。

 

Meaning of FAUSTUS and Posters Printed : 元々の意味/ ポスター完成

FAUSTUS-B3_2d_OLFaustus means “auspicious” or “blessed,” and pactum means “pact” or “contract” in Latin.

faustus(ファウストス)は、「祝福された、幸運な」の意、pactum(パクトム)とはラテン語で「契約」の意味です。

FAUSTUSのPosterが刷り上がりました〜。書店によっては既にはっていただいているところも。
デザインは、アメリカのPAA Artist in Residencyに選ばれて招聘された時、一緒のペンシルベニアの建物(たくさんのスタジオ)内で制作した時に出会った yukaotaniが手がけてくれました。彼女もアーティストで、しかもデザインもする。そのレジデンシーでは日本人は私たち二人だけで、制作期間後も当時たまたまニューヨーク市内で近くに住んでいたということもあり、以来友人にもなりました。

今回は昨年12月たまたま二人とも東京にいたので、会って打ち合わせをして、いろいろ話し合ってこのデザインになりました。ポスターは書店で見かけるかもしれません。そしたら本も探してくださいね〜。 この『FAUSTUS』の本の内容は、自分でいうものなんですが、深〜い内容です。(写真+日本語/英語)。 実際に手にとって、またこの欄で内容などにも少しずつ触れていきますので、読んでくださいね。人生に新しい息吹を〜。

本が購入できる書店 : Store Locations added

The artbook/photography book FAUSTUS was published by Sokyu-sha in Japan.
The store locations are just added.

The story behind the work will be coming soon as a blog at this website [behind the FAUSTUS]. Please bookmark the site!

蒼穹舎より刊行された『FAUSTUS』のウェブサイトです。

「どこで買えるの〜?」という声をよくいただくので、今日は、「FIND THE BOOK (本)」のページを作りました! 東京など首都圏だけでなく、地方では「浜松」(言わずとひいき… :)の書店でも2015年1月下旬から販売が始まりました。   >>例えば国内ではどこで?

既に、お手に取って読まれた方、まだご覧になっていない方、美や写真、アートそのものに興味のある人はもちろん、人生を生きる中で、迷ったり悩んでいる方、突然降りかかる不幸に戸惑っている方、新しい価値観や考え方、ものの見方など、少しでも手助けになれば是非この1冊を手にとってみてください。できれば静かな場所で、ゆっくりページをめくってみてください。自分と向き合いながら・・・。

このFAUSTUSにまつわるストーリーや、裏話、背後にあるコンセプト、今後、このウェブサイトに少しずついろいろとアップデートしていきます。